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アマノート

愛の芸術家

「My Lost Blue」セルフライナーノーツ

ミックスを10時間連続でやったら腱鞘炎になりかけました。

お久しぶりです。天野です。

natsukage.bandcamp.com

出ました、ついに、アルバムが。(倒置)無料です。

 

クロスフェード

soundcloud.com

 

セルフライナーノーツを書くにあたって、このブログの文章を久々に見たんですけど酷いもんですね。

 7ヶ月前の俺の文章でもこんなに痛々しく見えるのに数年後見たときなんて考えるだに恐ろしいです。

最初に言っておきたいんですけど、この文章はライナーノーツというより天野の自分語りが約5400文字で展開されています。

不快になる方もいるかもしれませんので、最初に言っておきます。この記事は俺の長文自分語りです。

 

 ・Natsukage

今回のアルバムを機に名前をfazethedazeからNatsukageに変えたんですけど、そのことについてまず書こうと思います。

話は単純で、

・fazerdazeというとても似た名前の宅録(!)バンドがいる

・「フェイズザデイズ」と言いづらい

・中学三年生のときに勢いで考えたものなので前々から変えたいと思っていた

 

以上の三点が理由です。

そしてNatsukageという名前につきましては、あの夏影です。

ウオオオオ~...(慟哭)

 

前からこの曲俺が作ったことにならないかなとか思っていたんですけど、流石にそんなことはありえないのでバンド名にすればいいんじゃないかと考えました。

あと夏影ってとても字面がきれいですよね。俺が夏影だ!

バンド名については候補が複数あって、

「While Oceana sleeps」(While Oceana Sleeps - YouTube

「Send Transmission From The One Armed Scissor」(At The Drive In - One Armed Scissor - YouTube

「Cut Your Ribbon」(Sparta - Cut Your Ribbon - YouTube)

「Glacier」↑の歌詞から

 

どんだけATDIとSparta好きなんだ俺。 

バンド名をめっちゃ長くしたり、逆にユニークでない単語をバンド名にするのは憧れがあったんですけれど、英語だと言いづらいし自分は日本語が母語なので日本語の単語をローマ字で表記しようと思ったんですよね。

そして、自分は夏に対する憧憬が強くて、実際に夏に何かあったわけでは無いですけど夏って何かわくわくしませんか、何かあったわけでは無いですけど(ディレイ)

自分でもわからないぐらいに夏の曲を書いてしまうので、結果として”夏影”が最強だと考えた次第です。

 

導入程度にバンド名を変えた話をしようと思ったんですけど、予想以上に長くなってしまいました。いい加減セルフライナーノーツを書きます。

 

・『My Lost Blue』というタイトルが意味するもの

このアルバムは元々大学生になってから作った曲も入れるつもりで、本当は14曲になる予定だったんですけど、デモでちょっとしたアルバムを作って曲を並べて聴いてみたんら致命的に高校時代の曲と大学時代の曲が合ってないんですよね。

このアルバムに入っている曲は中三の冬~高三の春ぐらいに作った曲で、確か当時はブッチャーズだとかnakanoiseだとかナンバガとかを聴いていました。

曲の感じの違いが大きくてもしょうがない感じがあったんですけど、やはり俺が納得できないので大きく削って8曲になりました。

My Lost Blueとはその中三~高三のときのことなんですよね、思い出や青春がどうとかだけではなく、単純に曲の作風としても。

 

大学生になってから書いた「透明度」という曲があるんですけど、それはわりかし評判が良かったので別に衰えたとかそういう感じではないですが(多分)。

けれども高校生のときにしか書けない曲ってあると思うんですよね。って、自分が「エウレカ」を書いたときも同じことを考えていました。

 

・スカイブルー

中学三年生の春に書いた曲です。紛らわしいんですけど、春とは中二から中三から変わるときではなく中学校を卒業するときのほうの春です。

当時から、アルバムを作るなら絶対この曲を最初にするぞと考えていました。

”スカイブルーのあの頃”が何かは覚えてませんが、そんな寂しさを込めた曲だった気がします。

Skyblue by fazethedaze (当時の音源)

実はスカイブルーの前にもハードロックの出来損ないみたいな曲も書いていたんですけど、あるときnakanoise

 ナカノイズ - ツキワケ ~ ハクジツ (Live) - YouTube

に出会って俺も曲こういう曲書きたい!なんて思って衝動だけで録音しました、このときは。

 

エウレカ

高3の春に作った曲です。エウレカセブンのオープニングです。嘘です。

エウレカセブンのオープニングを作るなら、というテーマで作った曲で、エウレカセブンを高2の夏に見て、かなり辛くなって気持ちの整理がついてからエウレカセブンの素晴らしさを曲に落とし込みたいなと思ったんですよね。

これを作ったときはアニソンを聴きまくってどういう感じのメロディーが気持ちいいか研究...はしてないんですけどその影響は如実に現れていると思います。

実際自分の中で一番気に入っている曲で、身内からの評価も一番高く、ありがたいことにカバーをしてくれる人もいました。その中の一つを紹介します。

www.youtube.com

これ聴きまくってたらメロディーが本家(このアルバム)に逆輸入されたんですよね

 

夏に起きた奇跡って何? とか言われるんですけど、俺個人とは全く関係無くて

エウレカセブンの中に出てくる「サマー・オブ・ラブ」という現象のことです。

 

この歌詞は結構そういうネタ的な物が自分の書いた歌詞の中で最も盛り込まれていて、例えば”君の方へ 放物線描いて"という歌詞があるんですが、オープニングやアニメの戦闘シーンが元になっています。

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あとBメロの”ただ過ごす DAYS”もこのOPの曲名、「DAYS」が元ネタになっています。

まだまだあるんですけどキリがないのでここらへんにしておきます。みんなもエウレカセブンを見よう。

 

・不発弾

高1の冬に書いた曲です。このアルバムの中では一番激しいというか、パンクっぽい感じなんですけど、当時はシロップ16gにはまっていてソドシラソがとても好きだったのでそういう曲を作ろうとしてドラムをちょっと真似しました。

Syrup16g - ソドシラソ - YouTube

”くだらないもの”とは他人からの期待や余計なプレッシャーのことです。(多分)

この曲はCメロ(二番サビ後)が気に入っていて、不気味な感じを出すために歌詞を囁いたものをステレオで鳴らしています。あと機械に読ませた文章を超高速で鳴らしています。あとボーカルを発振させたりして、このパートは作ってても楽しかったです。

 

・Dawn

俺的にこのアルバムで一番暗い曲です。これを書いたときは受験のためにツイッターを辞めてて、それでも入試の直前の模試でひどい結果が出てとても辛くなったときに書いた曲なので、その時の心境がモロに出ている気がします。

ひどい結果が出てから握る物がギターじゃなくてシャーペンだったら良かったんですけど、いつもそういう感じですからね...

 

当時ツイッターを辞めてはいましたが別に勉強をしていたわけではなく、アニメとかを見まくってたんですけど、その時に見てたのが「serial experiments lain」なんですよね。

曲が入る前にノイズが入るんですけど、lainの中で鳴ってる変なミョーーーみたいな音を真似して作った音が入っています。

https://youtu.be/mlt_lcPQcaQ?t=11m17s

 

・海辺の街

高2の夏にブッチャーズのオマージュとして作った曲です。「デストロイヤー」をパ、オマージュしています。

この曲は5弦以外半音上げっていうわりかし変なチューニングだったんですけど(吉村さんの変則チューニングリスペクト)、別にそうする必要もなく普通のチューニングで弾けたので、結局アルバム版ではレギュラーチューニングで弾いています。

アルバム版ではサビでア~ア~みたいなコーラスが入ってて、元々はその音量が小さかったんですけど、HoleのMalibuという曲のコーラスがめちゃくちゃ綺麗でそれを真似してコーラスを前に押し出してみました。

Hole - Malibu - YouTube

そこが気に入っている曲です。

 

・空蝉

高3の夏に作った曲。

最初はドロップCの曲を作ろうと思ってサビのドラムを考えたんですけど、なんか作ってるうちにシューゲイザー(雑なイメージ)ぽくなったので自然とそういう感じになった曲です。

リードギターのイントロのフレーズがとても気に入っていて、それを全面に出すようなミックスにしてみました。あとバスドラが全然前に出ないので結構過剰なEQを前まではかけてて、パンテラのバスドラみたいな音になっててそこが個人的に面白かったです。

歌詞のモチーフについては、家の近くにデカい木があってそこに俺が小学生のころからずっとその木に張り付いてる蝉の殻があったのでそこから空蝉(現身という意味もありますが、この場合は蝉の抜け殻という意味です)というヒントを得ました。

主な内容は、周りはどんどん先に行くのになんで俺はずっと止まってるんだろうという感じの歌詞なんですけど、高3の夏と言えば受験シーズンなので勉強してる周りを見て何も手をつけていない自分に焦りを感じたことについての曲です。でも受験期が一番曲作りが捗りました。

 

・Intro

 わけのわからないところにintroが挟んであるんですけど、これはスカイブル~空蝉からの流れを一旦断ち切るために入れたものです。

Stereo fabrication of youthのAudityというアルバムに入ってる”intro”が映画音楽みたいでかなり良くて、それを真似して映画音楽とまでは行かないけれど何か物語を感じるようなIntroを入れたいなって思ってたんですけど、スカイブルーの最初のギターが鳴るところからアルバムをどうしても始めたかったのでこれはエウレカ(ライブ)の前に挟むことにしたんですよね。

ピアノは大学の友達で俺の曲を気に入ってくれてるやつが居て、そいつがエウレカをカバーしてくれたんですけど、これでなってるピアノはそのMIDIを貰って俺がVST通してエフェクトやってゴチャゴチャしたやつです。 

途中からリバーブがガッツリ効いたキックがドーーーーーーーンってゆっくり入る所があるんですけど、そこが気に入っていて、やたら余韻が残るキックという発想はDeath Gripsを聴いて思いつきました。

www.youtube.com

 

エウレカ(Live)

これは絶対いれたかったやつです。Introとエウレカ(ライブ)はなんかボーナストラックぽくも思えるんですけど、このアルバムのテーマが思い出とか、高校生のときのこととかそういうことなのでその2つも入れて「My Lost Blue」なんです。

俺が本当に目指したかった姿を宅録の音源という形ではあるものの、再現してみました。

この音源は結構個人的にミックスに凝ってて、ライブのリバーブの低域が飽和してる感じとか、ベースがあまり抜けない感じを再現しようとしてます。

あと歌もパンチイン無しの一発撮りで、ギターも歌いながら録音しました。

Natsukageもいつかこれみたいにライブやりたいねって元メンバーと話してるんですけど、やっぱりタイミングが合わないと厳しいですね。

 

曲の解説は以上で終わりです。お疲れ様でした。

 

 

・機材の話

どうでもいい話です。

全部の曲でいつもの青ジャガーを使っています。(リードギターで参加してもらったものを除く)

エフェクターはマフとブルースドライバーとアンプリのディレイとかです。

一部の曲ではオレンジAD30モデルをリードとバッキングで使いました。

DAWはReaperです。モニターはクラシックプロの5000円ぐらいのやつです。

あんまり無駄なこだわりとか書くと発言と音源が吊りあってないジャンってことになりかねないのでこれくらいにしておきます。何事も耳で判断していきたいものですね。

 

・今後の活動について

とりあえず今回のアルバムで高校生のときの音源は整理できました。

スカイブルーは録り直すのがこれで二回目なんですけど、それは俺が満足できる出来にならなかったという理由なので、またこのアルバムに入っている曲をこれ以上焼き直しはしないと思います。

今回のアルバムのミックス面では俺の最大の力を出し切ったと自負しているので、他の曲も同様に、これからは大学生になってから作った曲を出します。

高校生の秋~今ぐらいまでずっとAt The Drive-InFUGAZIを聴いているので、次作は90年台~00年台のポストハードコアぽいものを作りたいと思っています。

 

若い内に何かを形として残さないと、といつも焦っていたので高2のときから毎年一回はEPなどの形でまとまった音源を出すようにしてたんですけど、作ってもなんとなく焦っている自分がいるので、今度からはノルマみたいなものは考えないようにすることにしました。一年に一回って大分スローペースだなと自分でも思うんですけどね。

ということなので、次の音源については全くの未定です。

まだ何も考えてないんですけど、名古屋市でNatsukageとして実体のあるバンド活動をやりたいなと考えています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

Natsukage 天野