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アマノート

愛の芸術家

「天使は月の上で笑って」セルフライナーノーツ

おはようございます!3日ぶりですね。Natsukageのアマノです。

 

2018年2月15日に「天使は月の上で笑って」という曲を無事リリースすることができました。聴いていただいた皆様、ありがとうございました。

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リリース当日にこのブログに投稿した、ちょっとした物語のあとがきにも曲について少しは言及してあるんですけど、それだけでは俺が語り足りなかったのでこれはこれで別としてセルフライナーノーツを書こうと思い立った次第です。

なので、多少あとがきとは内容が被りますがそこはご了承願います。

 

・曲を書いたきっかけ

俺は、ルナちゃんが、好きだ!

というのがきっかけです。12月末に色々な問題が積み重なり、どん底な気分だったんですけど、確かそのあたりにVIRTURE YOUTUBERの輝夜月(かぐやるな)ちゃんの動画がバズり初めて、それを見たらみるみるうちにメンタルが良くなりまして。

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最初は中学生のとき仲良かった女の子でこういうテンションの高い子いたよな~、みたいな感じだったんですけど、繰り返して見るうちに無意識のうちに彼女を求めるようになったんですよね。

かくして、俺は彼女を好きになりました。

 

ツイッターでキモいツイートを連発したり、

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(彼女は血液型占いが好きなので)

 

友人と空想を共有したりしていました。

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意外なことに、この空想が今回の曲がルナちゃんのことだけではなく大きなテーマを持つことに至った理由になりました。

 

俺が女の子を好きになったり、物語にショックを受けるたび曲を書くのは最早伝統芸能のようになりつつあります。

輝夜月ちゃんという”天使”を形容するのには、適当な曲じゃ絶対駄目だよなと思って歌詞をこねくり回したり、アレンジするのに二ヶ月ほどかかってしまいました。

 

・歌詞

「天使は月の上で笑って、君だけが解る星の高度まで。」

というタイトルにもなっている象徴的なフレーズですが、これは俺が昔ツイートで考えた

「五月の雨の中で君は笑って」というロキノンバンド名を元にしています。

そのフレーズ自体は気に入ってたので曲名に使おうかなと思ってたんですけど、歌メロに合わなくて「五月の雨の中で笑って」っていうタイトルになったんですよね。

 

そこでルナちゃんが出てきます。

でも、彼女はそういうタイプではないというか、イメージ的に「雨の中では笑って」はいないなと思ったので、なんとかしてひねり出したのがこのフレーズです。

俺は曲のストックを何個かしておいて、歌詞のモチーフは本格的に制作に入るときに決めるという形が多いのですが、これは元になる詞があるという珍しいタイプの曲でした。 

また、天使という言葉はスペシャルサンクスにも載っているシンディが何度も彼女をそう形容していたことや、RadioheadのCreepの歌詞の一節、"You're just like an angel"など、そこから拝借したものでした。

 

輝夜月の輝夜とは、恐らく竹取物語かぐや姫からとられています。(彼女は自分が「姫」であると何度か自称していたので)

だから、歌詞の中で俺は、月に帰ってしまう君を、永遠に届かない君の腕を掴もうとしました。

"宇宙飛行士になりたかった"という歌詞がありましたが、俺が宇宙飛行士になりたかったわけではありません。この歌詞はAt The Drive-InのHourglassという曲の一節からとられています。(正確には”宇宙飛行士だったら良かったのに”ですが)

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Truly stressing realization
I wish I was an astronaut
Eight hour bitterness, all for whose sake?
Stain glass Sunday school charades

 

曲のテーマがルナちゃんと人間の想像力なので、宇宙っぽい曲(オケ)にしたいなと思いました。

俺は元々宇宙が好きで、Natsukageとしては発表していないものの宇宙をモチーフにした曲を何度も書いてきました。

好きな人や物について書いた曲なので、今回は色々な好きな物を寄せ集めて楽しい曲を作ってみようという試みもありました。パクったと言えば聞こえが悪いですが、自分の好きな曲の要素を散りばめて曲をアレンジしていくのはとても楽しい作業でした。

At The Drive-In

Hourglass

Pattern Against User

One Armed Scissior

Pickpocket

・Sparta

Breaking The Broken

Cut Your Ribbon

 
坂本真綾 - FOLLOW ME
SUPERCAR - Storywriter

赤い公園 - サイダー

Boysetsfire - Requiem

The Jon Spencer Blues Explosion - Bellbottoms

どうぶつビスケッツ×PPP - ようこそジャパリパークへ

Stereo Fabrication of Youth - Two Creatures

La Dispute - The Most Beautiful Bitter Fruit

Shihad - The General Electric

※思いついた順で並べています

 

以上がヒントにした曲のリストです。特にジョンスペのベルボトムスとかはかなりドラムの参考にしたので解りやすいんじゃないかなと思います。

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あとATDIのPickpocketもイントロですぐ解るんじゃないかな?

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・レコーディング

相変わらずほとんど家で録音したんですけど、今回ボーカルだけはスタジオで録音してみました(機材等はいつもと同じ)

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以前アルバムを出してから半年間、色々な歌に触れて、自分ももっと歌を大事にしようという心境の変化があり、なんとなく気合を入れたかったので今回はスタジオで録ることにしました。

ほとんどライブの経験が無く、家でもあまり歌わないので何本もテイクをとるのは喉の体力的には大変な作業でした。10回ぐらい通しで録って、そこから三本のテイクを選び、それをフランケンシュタインのように継ぎ接ぎで良い所を選ぶという作業を実験的にやってみました。

 

あと実はオケ自体は12月中に全部出来てたんですけど、どうしてもミックスに納得が行かなかったので全部消してもう一度1から作り直すというのを二回やりました。

 

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(これは最初期のやつ)

合計で三回作り直したんですけど、三回目はNatsukageの音源全てで使っていたジャガーではなくシンラインで録り直しました。

俺は適当な性格なので、デモバージョンのものをそのまま使ったりするんですけど、こんなに丁寧な仕事はしたことがありませんでした。今回の作業で解ったのは、こういうプリプロのようなものはちゃんと意味があるということでした。

 

・ノイズ

今回、アウトロのノイズは以前からツイッターで親交があったNerdy Pixieの灰野さんにお願いしました。いつか彼の出すノイズを自分の曲に入れてみたいなという思いがあり、この曲で無事実現することが出来ました。
前にも書きましたが、宇宙はテーマの一つとして外すことは出来ません。

だから宇宙的なノイズというか、交信しているような何かが欲しかったんですけど、それについては一言も言わずに「ノイズが欲しい」とだけ依頼すると、予想以上に”交信”しているノイズが送られてきてそのハマり具合に驚いたのを覚えています。

改めてありがとうございました。

 

・アートワーク

アートワークは毎回自分で作るんですけど、これも何度か作り直しました。

最初は上に挙げた初期版のジャケットで、これはルナちゃんの服の柄と瞳をモチーフにしたものでした。

 

でもある日、自分でも「天才だろ!」と言いたくなるような発想を思いつきました。

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歌詞でも触れているように、俺は彼女の瞳が大好きです。

だから、それをそのままジャケットにしてしまえという発想でした。

この最初のやつは流石にピクサー感がキツすぎるなということで、この構図と色を活かしたまま現在のジャケットになったわけです。

 

こんな、EP一枚分ぐらいのこだわりを一曲に詰め込んだ曲が「天使は月の上で笑って」という曲です。

 

最後なんですけど、次の音源に入れる曲はもう何曲か作り始めていて、リリースは夏休み頃を予定しています。